不器用だからこそ

mukuku2010-02-27

 悪酔いして場違いの曲を歌い、新郎に絡んで、姪の結婚式をぶち壊す中年男。
『おとうと』 (日本、山田洋次)で笑福亭鶴瓶の演じる鉄郎は、初期の車寅次郎に通じるものがある。
 後年の寅次郎は、多少の騒ぎは起こすものの、すっかり倫理的になってしまったが、当初は、小市民の生活に波紋を投げかけるような、なにをしでかすかわからない危うさがあった。
 鉄郎の不器用さが現代人に通じるかどうかは疑問だが、印象に残る人物ではある。

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