2008-06-08 魔術の種 舞台上に死霊をよみがえらせるアイゼンハイム。作り事のショーを楽しませるだけの単なる魔術師かと思いきや、『幻影師アイゼンハイム』(米国・チェコ、ニール・バーガー)の結末は、現実の世界を変えるべく、巧妙で、痛快などんでん返しを用意している。 観客は、だまされたことを悔しがるどころか、爽快に感じるだろう。恋人を殺され、皇太子の密命で逮捕されそうになったアイゼンハイムが、簡単に屈しなかったことに、勇気づけられるのだ。 魔術の種は、現実の世界にある。