「結局80年代はなんにもなかったんだ」とか「バブルといっしょにはじけて消えた、うわっついた時代だった」とかいわれてるわけでしょ。それもまぁ、わかるにはわかるんだけど、でもやっぱりそんなふうに総括されてしまうと、こっちとしては「いや、そんなことはないッ！」って、いいたくなる。それに私としてはあの頃蒔かれただけのタネはいっぱいあって、まだまだ育てたり実らせたり咲かせたりできるものもいろいろあるような気もするわけです。（岡崎京子『東京ガールズブラボー』宝島社、浅田彰との巻末対談から）
なにもなかったかのようにレッテルを貼られるのは、90年代であれ、0年代であれ、同じだろう。そうした通念に異議申し立てをし、地道に畑仕事のできる者だけが、時代を創れるのである。
