卒業文学

mukuku2008-04-16

『考える人』2008年春号に、識者の選んだ海外の長編小説ベスト100が掲載されている。
 1位が『百年の孤独』、2位が『失われた時を求めて』、3位が『カラマーゾフの兄弟』。以下、優等生的とも言うべきか、世界文学全集に収録されそうな著名作品が、上位に並ぶ。
 選者は、作家・批評家・翻訳家・文学研究者など、文学関係者。こうした作品が、彼らの文芸活動にどれほど痕跡を残したのだろうか。大半が、若いときに読まれて、心身の記憶から消えてしまったものかもしれない。
 鶴見俊輔は、高野文子との対談(同誌掲載)で、「私の特徴は、卒業しないということなんです」と、語っている。

 二、三歳のときに読んでいた本を今も読んでいる。……昔読んだ本を全然卒業しないんです。日本の知識人の特徴は、卒業することなんだ。だから私は日本の知識人とぜんぜん相容れないんですよ。

 
 

  
 
 

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