弱者と人間

mukuku2008-02-06

 野生動物の世界でも、強者が狙うのは弱者だ。
 ドキュメンタリー『アース』(ドイツ・英国、アラステア=フォザーギル、マーク=リンフィールド)では、ホッキョクオオカミがトナカイの子どもを追いかける。大人を狙っても、脚力ではかなわない。子どもならば、走っているうちにバランスを崩すこともある。オオカミは計算ずくだ。ライオンが攻撃するのも、ゾウの子どもである。
 身体能力の弱さをカバーできない野生動物と違い、人間の世界には、ルールや道具によって弱者をかばう仕組みがある。それが十分に機能しているとは言えないものの、弱者を見捨てないことは、人間が環境の変化にも対応しつつ、地上で繁栄している要因になっているのかもしれない。 

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