過去より未来

　男社会のイランでは、離婚した女性は肩身が狭い。
『ペルセポリス』（フランス、マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・パロノー）のマルジは、若くして夫と離縁。失意の彼女を離婚歴のある祖母が励ます。離婚なんて人生の予行演習さ、と。
　政権が変わるたびに腐敗の生じたイラン。だからとて、革命しても意味がないと悲観するのではない。賢明な人々は未来を信じている。祖母の言葉には、そんな背景もあるのだろう。