深く考えないで見られるお気楽なものをテレビに求める視聴者が多くなった。暗い内容の番組もあるが、すべてわかり易く創ってある。多くの視聴者が、テレビはじっくり見るものではなく、ボーっと見ていても結論を導き出してくれるものだと思っているからだ。(日経新聞10月3日夕刊『TVな日常』)
脚本家の大石静が自らに問う。
しかし、本当にそれでいいのだろうか? 面白いということは、どういうことなのか?
テレビに限らず、クリエイターは、面白さを常に追求している。
今書いている連続ドラマも、お気楽なコメディーではあるが、どこかに既成の価値観を突き動かす一言を込めたい。何も考えずにも見られるが、それだけではないテーマも、ひっそりと込めたい。
価値観を動かす一言。そこにクリエイターは頭を使う。押し付けがましくない言い方も考える。
面白さを考えるのは、苦しくも楽しい。