2007-07-11 仮想芝居 劇場に着いたとき、すでに舞台が始まっていた。ポツドールの『人間失格』である。場面の都合上、一時的に客止めだったので、しばらく控え室にいた。親切な係員が寄ってきて、モニターを示しながら、ここまでの展開を教えてくれた。 「この男がですね、テレクラに電話して、相手の女性のエッチな声をききながら、ベッドの上で……」 係員が劇作家だったら、どうなったか。勝手に作り変えた話を2時間近く語り続け、その話のほうがおもしろかったら……。 ずっと、その場にいたかもしれない。