幸福な誤解

mukuku2007-07-14

 快作『マルホランド・ドライブ』を挙げるまでもなく、多様な解釈ができるのが、デビッド・リンチの映画の面白さだ。インタビュー(日経新聞7月12日号夕刊)に答えて、リンチは笑う。

 抽象的なアイデアを形にできるのが映画の魔法。抽象度を増すほど、見る人の解釈は分かれてくる。それでいいと思う。実際、私自身の解釈と他人の解釈が同じだったことは一回もないよ

 そもそも、フィクションは、作り手と受け手の間に誤差が生じるのが当然。誤解が双方に心地いいのが、幸福な作品だろう。

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