水底の砂糖

mukuku2007-07-07

 フランスの映画監督、ブリュノ=デュモンは、元哲学教師。映画学校の試験に落ち、企業ビデオを作りながら映画作りを学んだ。(『週刊金曜日』7月5日号「きんようぶんかインタビュー」)

 トヨタの生産ラインやキャンデーの製造過程を説明するビデオを何十本も制作した。面白くないものを、どうやって面白くわかりやすく見せるかを試みた、その一〇年が私の映画学校

 ここには、ルーティンな業務にめげない創造の意欲がある。

 映画はまさに、コップの底で水に溶ける砂糖だ。溶けるのに3分かかるなら、それを省略してはならない。……私たちは……存在の奥底ではまだ時間を生きていて、水の底で溶ける砂糖を見ている。

 奥底の砂糖に手を触れることができるかどうか。これが、芸術の勝負所である。

 

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