許すのはだれか

mukuku2007-06-09

 シリーズ3作目『スパイダーマン3』(米国、サム=ライミ)で、スパイダーマンことピーターは、すっかり嫌な男になってしまう。ヒーローとして、もてはやされて有頂天。一方でガールフレンドの悩みを踏みにじる。青年期特有の鈍さと言ってもいいが、ピーターの勘違いぶりは、世界における米国の活動を象徴しているとも言える。
 適役サンドマンから暴れる理由をきいたスパイダーマンは、すっかり同情。サンドマンを「許す」と告げる。悪にも事情がある。スパイダーマンが寛容になったと好意的に見てもいい。
 だが、「許す」という言葉を吐けるのは、スパイダーマンが裁きの権限を持っているからだ。ここに、米国という大国の意識が表れている。これも制作者の意図なのだろうか。
 

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