歌声

 ヒロインは孤独だが、信頼できる女友達がいて、協力してくれる仲間もいる。『キリエのうた』(日本)は、岩井俊二の総集編とも言うべきエッセンスが散りばめられるばかりか、震災の傷跡も、背景にある。

 どこか風変わりな人間が程よい距離感を保っている限り、お互い平和だが、近づきすぎたり、あるいは離れすぎてしまうと、どちらかに不幸が訪れる。個々のかかわりをつなぐのは、キリエの歌声だ。

          

 

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