作風

 架空の経営者を仕立てて、責任を押し付けてきたIT企業の実質経営者は、身売りを進めるため、売れない役者を社長に仕立てて、交渉する。内情を知らない役者は、従業員に情がわいて、身売りをとん挫させようとするが……。 

『ボス・オブ・イット・オール』(デンマークスウェーデンアイスランド・フランス・イタリア・ドイツ)は、喜劇とはいえ、大団円には収まらない。展開を裏切り、定型に屈しない。心温まる決着など、断固として排除するのが、ラース・フォン・トリアーなのだ。

          

 

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