少子化対策からこぼれたもの

 誰もが子どもを産み育てないと願っているわけではない。朝日新聞(4月23日)のインタビューで、イスラエル社会学者オルナ・ドーナトは、同国の出生率の高さは、出産を義務と強いる抑圧に結びついていると話す。多様な声が封じられているが、母性だけが人間らしさなのか。自分は何を望んでいるのか。他人が何に苦しみ、痛みを感じているのか。それを受け止める努力が欠かせないという指摘には、少子化対策うんぬんという政策論議からこぼれた本質がある。

                    



 

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