濱口竜介の方法

 夫婦の葛藤、被災地と都会、ワークショップと現実、テキストと劇映画、地方と多国。『ドライブ・マイ・カー』(日本)は、濱口竜介の方法論が集約され、しかも、どう転ぶかわからないという緊迫感が、最後まで途切れることはない。観る者を触発し、見るだけに終わらせない能動性を隅々まで、はらんでいる。村上春樹とチェホフという最良のテキストが下地にあり、それらが、視覚的にも、思考上も、凡庸化されていないことが、卓越した力量を証明している。

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