作品としての退廃

 セレブのスキャンダルを暴露したカポーティの遺作『叶えられた祈り』の残りの原稿は、いまだに見つかっていない。関係者の証言からも決定的なものは得られていない。

 ドキュメンタリー『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』(米国・英国、イーブス・バーノー)で明かされるのは、早熟な天才作家が、社交界やメディアで時間と精神を浪費し、退廃する姿だ。孤独感は最後まで満たされず、謎を残したまま経ってしまったが、その生きざまもまた、作品なのだろう。

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