危険な人々

 姪である著者が、米大統領一族について赤裸々につづった『世界で最も危険な男』(メアリー・トランプ、草野香ほか:訳、小学館)は、低次元の暴露本ではない。臨床心理学者の立場で叔父の人間性を解析したもので、人格の形成には親族が大いに関与したことも、明らかにしている。

 いまや彼の言動は、身内ばかりか、米国全土、はては全世界でも、許容されている。敵対者に対しては冷酷で、嘘やごまかしも辞さず、ひたすら攻撃する人間。環境によって長年育まれたものは、おいそれと消えるものではない。

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