芸術としてのアニメ

『マロナの幻想的な物語り』（ルーマニア・フランス・ベルギー、アンカ・ダミアン）の雌犬は、混血を嫌われ、産まれてすぐ、飼い主から捨てられる。以来、曲芸師や建設作業員、少女などのもとで飼われるが、移り気な飼い主の下では、どこもしばらくいては、つらい目に遭うばかり。最後は悲運の死を遂げるという救いのない話だが、どの場面もイマジネーションあふれ、バラエティー豊かな筆致で表現されている。まさに芸術。