個人を知る

 プリーモ・レーヴィの『休戦』(岩波文庫)は、貴重な記録小説だ。収容した側の非道行為を綴るよりも、収容された側の個性をよみがえらせることに力点を置いている。

 個性の違い、行動の意外性……。一人一人の人間を、集団ではなく、個人としてとらえるようにすれば、方策も人間性を見失わずに済むだろう。

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