愛を受け止める場

『男と女 人生最良の日々』(フランス、クロード・ルルーシュ)は、第1作とは別の洗練された味わいがある。老いた二人が再会し、若かりし頃の情愛を思い返しながら、現在の時間を楽しむ。今ではベンチで会話をかわしたり、車に乗ったりするぐらいで、突飛な冒険は妄想の中でしか起きない。そんな今が、過去より劣るというわけではなく、この映画では、共にかけがえのない者として扱われている。彼らに寄り添い、見守る子どもたちや介護施設の職員も含めて、この世界には、成熟した愛を受け取める良き土壌があるようだ。

 

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