埋もれた個人

 19世紀初頭のマンチェスター。活動家の演説を聞きに来た無防備な市民が、政府の騎馬隊に惨殺される。今日では、英国民でさえ、ほとんどが知らない事件の経緯にこそ、民衆のうごめく姿が残っている。

 

 貧困改革を叫ぶ民衆も、安定統治に徹する判事も、個人個人は異なる意見の持ち主だ。その差異を描き分けた『ピータールー マンチェスターの悲劇』(英国、マイク・リー)は、埋もれた歴史の群集劇であると同時に、個人のリアルな物語になっている。

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