声を上げる

『ニッポン国VS泉南石綿村』(日本、原一男)では、アスベスト訴訟をめぐり、住民・原告団長・弁護団厚労省が、それぞれの立場で活動する様子が映し出されている。当然、見解や対処は分かれる。裁判は全員が納得できる判決を下すわけではなく、思惑や利害を調整するだけにすぎないからだ。
 立場の弱い者が異議を申し立てるのには、膨大な労力と犠牲が必要になるが、黙認すれば、いっそう犠牲が膨らむ。微力かもしれないが、住民が声を挙げるのは、無意味ではない。

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