成果のために


 コソ泥で日銭を稼ぐ男が這い上がる手段は、テレビ局に事件映像を売り込むことだった。
ナイトクローラー』(米国、ダン・ギルロイ )のカメラマン、ルイスは、衝撃映像を手に入れるには、非合法手段でさえ、いとわない。被害者の惨状に目をつぶり、仕事仲間さえ見殺しにする。
 鬼気迫る彼の破滅ぶりは、嫌悪感を呼ぶものではない。成果を得るには、やむを得ない。そこまで徹しなければならない。
 そう共鳴させるような行動なのだ。
 だれもが彼ほどに一線を越えたりはしない。だが、そこに接近するかのような感覚や機会は、持ち合わせているはずである。

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