責任者は戦争自体なのか


 戦争犯罪を戦争自体やファシズム軍国主義といったレーベルに負わせるとき、個人の責任はうやむやになる。
 辺見庸は『週刊金曜日』4月17日号で、武田泰淳『汝の母を!』を題材にして、「すべてを「戦争」のせいにしてきた論法の盲点」に言及している。
 人間一人一人を問うことなく、抽象化した言葉は、状況を何ら改善しないばかりか、無力な犠牲者の死をも、ないがしろにするのである。

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