作り手の好感度


 宮崎吾朗監督のアニメ『山賊の娘ローニャ』(NHK)は、気のいい父母や山賊仲間と森で暮らす少女のささいな体験記だ。
 森には不可思議な生き物も暮らすが、常に両親との関係を維持するローニャは、冒険といっても、幾日か、実家から離れて暮らすぐらいで、それほど大げさな行動をするわけではない。どのエピソードも地味であり、突飛な振る舞いをするキャラクターも、いない。
 それでも見入らせてしまうのは、どの場面も丁寧に作られていることが、伝わるからである。ワクワクどきどき感はなくても、好感を与えるという堅実なジブリアニメの誕生である。

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