ドラマ制作の犯罪


『相棒 season13』の最終回では、右京を長年支えた相方こそが悪党だったという救いなき幕切れで終わる。伏線のない唐突な終わり方や、純粋だった相方の急変はもとより、鋭敏な天才的刑事が、もっとも身近にいる人物の犯行を見逃していたという失態も、シリーズそのものの信頼性を裏切ることになったろう。
 同僚の急な降板を繰り返し、常に予測を覆すことで、視聴者の関心をつなぎとめていた本シリーズ。とはいえ、視聴者への裏切り自体が目的となったとき、ドラマがもたらすのは、不信感でしかない。制作者の犯罪と言えるのである。

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