人生の転落


 のどかな田舎での避暑。美しい妻、愛らしい子どもたち。
 幸福なはずの夫が、妻の驚くべき告白によって、豹変。夫婦関係が一変する。
『ヴェラの祈り』(ロシア、アンドレイ=ズビャギンツェフ)の夫婦は、決して打ち解けてはいない。心に壁がある。知人や親類に対しても同様だ。孤独であるがゆえに、互いを理解できず、悲劇的結末を迎えるのである。
 誤解や隠ぺいが招く人生の転落は、絵空事ではない。

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