無器用でも光


 佐藤泰志・原作の『そこのみにて光輝く』(日本、呉美保)でうごめく人々は、世捨て人風の男といい、彼と知り合う姉弟といい、だれもが古風で文学的だ。
 しかし、常にややこしい道を選び、あえて不幸に陥る彼らの無器用さは、いつの時代でも存在する。
 さびれた街で起こる小さな物語は、そんな人間たちを突き放さない。

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