生命の倫理


 3D技法で宇宙の浮遊感をリアルに表現する『ゼロ・グラビティ』(米国、アルフォンソ・キュアロン)。技法を超え、見る者の脳裏に生命の根源をも刻み込む。
 スペースシャトルの事故で宇宙空間に投げされた女性飛行士が、犠牲となった同僚飛行士のメッセージに励まされながら、地球帰還を目指す。
 度重なるアクシデントが悟らせるのは、死の受け入れではない。生きることへの要求だ。
 自身を鼓舞し、最後まで最善を尽くす。米国的ではあるが、生命に活力を与える倫理観である。

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