語りの対象

「ほんとうの戦争の話」の、ある意味でもっとも優れた、ある意味でもっとも嫌われる、またある意味でもっとも大切な語り手が「戦後(戦争)文学」の作者たちであることは、間違いないだろう。
 彼らは、語るべきことばを持たない人たちの「代理人」であることを、戻って来なかった人たちの「代理人」であることを、深く自覚していたのである。(高橋源一郎「ニッポンの小説・第三部」『文學界』7月号)

 語りの対象は、外からやって来る。

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