パターンと創作力

 自分で「こういうもんだ」と思って、ずーっと何度もやっていくと、どんどん作品が腐っていくんですよ。腐っても平気でやっていける人はいる。延々と同じパターンをやれる人がね。でも、それは自分で変えないと。つまり、自分が、自分の脳みそで、「こうやって、こうやれば、ああいう風になるんだな」と、おぼろげにストーリーが展開できるようなもので映画を作り始めると、たちまち腐臭が漂ってくるんですよ、自分に対して(笑)。「じゃあ、捨てなきゃいけない」「これ以上やると退廃になる」って、ぼくは思っていますけどね。(宮崎駿談:『鈴木敏夫ジブリ汗まみれ 1』復刊ドットコムより)

 一人の人間から生まれるものには、限界がある。個々のパターンからは、容易に逸脱できないものだ。
 だからと言って、現状に甘んじてはいけない。
 腐敗が始まるのは、方法がワンパターンだからなのではない。このままでいい、今までと変わらずに済ませたいという意識の停滞が、創作力を減退させるのである。

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