結婚後、地方に転勤した夫婦は、うまく行くのか。
青年団『この生は受け入れがたし』(こまばアゴラ劇場)は、小津安二郎『麦秋』の後日談だ。
東北に行ったはいいが、慣れぬ土地、夫の仕事を理解したとは言い難い妻。夫との生活に、歩調を合わせることができない。
住めば都というほど、土地への定着は簡単ではない。東北から別の地へ行った者も、同じようなギャップを感じるだろう。意思に反して、移住した者には、それぞれ悲劇がある。
本劇のモチーフは寄生虫。宿主の行状に左右される身もまた、不安定なものだ。