不穏なもの


 長崎の離島で暮らす姉弟。弟が妻を迎えて数日後、姉の昔の恋人が帰郷し、復縁を迫る。高校教師を務める弟の教え子も、痴呆症の義父をかかえる妹夫婦も、秘めたものをかかえており、平穏に見える世界に波が立ち始める。
 日常と幻想。記憶のずれ。
 Pカンパニーの『月の岬』(池袋シアター・グリーン)は、松田正隆の原作を地味に演出しながらも、日常の裏にある不穏なものを、浮かび上がらせている。

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