どこまでが真実?


 才能もないハッタリ屋と思われた自称映像作家が、金に物を言わせて、人をかき集め、著名アーティストを動員して宣伝し、既成画家のコピーをいじっただけのような作品を大量に掲げ、初の個展で、一夜にして、売れっ子アーティストになってしまう。
『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』(米国・英国)は、驚くべきドキュメンタリーだ。
 時の人になったティエリーに、アートを手がけけるように勧めたのは、ストリート・アーティストのバンクシー。付け焼刃のアーティストを被写体に撮影しながら、バンクシー自身も予期せぬ結果を生じた。
 この展開は、意図してのものなのか。それとも、まったくの偶然なのか。
 うさんくさいティエリーや正体不明のバンクシー同様、謎めいている。

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