危機管理


 ヒトヨシ  大噴火がおこったからと言って、どこへ逃げられる。
 ノリヘイ  そこだ! やっと聞いてくれたか。そこだ! そこなんだ! 問題は。ひとたび噴火すれば、どこへも逃げられない。たとえ逃げて助かったところで、ここは火山の灰だらけ。今よりもっと食えなくなる。ここにも住めなくなる。

   (野田秀樹「南へ」――『21世紀を信じてみる戯曲集』新潮社)

 危機管理が成り立つのは、安全圏のあることが前提である。

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