支配される者

　沖縄人は、本土に利用されるばかりではない。本土を利用もしている。

　佐野眞一『沖縄　だれにも書かれたくなかった戦後史』（集英社インターナショナル）では、ヤクザ・政治・経済・芸能などの世界の恐持てでエネルギッシュな人間たちが紹介されている。
　だからといって、沖縄と本土を同じ穴のむじなと扱えばいいのではない。沖縄を担うのは、アウトローばかりではないからだ。支配される者がしたたかに生きるのは、そうならざるをえない理由があるからでもある。