甘え


 母に逃げられ、夜になると泣き続ける父。家に引きこもって本を読み続ける娘。父娘の暮らす家にやってくる人間たちも、特異な感覚の持ち主だ。 
 劇団、本谷有希子の演劇『甘え』(青山円形劇場)は、感覚を理解させるのに説明的なセリフに頼りすぎており、劇の構造や演技の説得力が弱い。一部の観客の共感力に甘えてはいけない。

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