小説は袋小路か?

mukuku2010-01-23

「私の考えでは小説は完全に袋小路に入っています。小説に関連した、きわめて大胆かつ興味深い実験のすべての――例えば、時間軸の移動というアイデアや、異なる人物たちによる語りというアイデアの――行き着くところは、小説はもはや存在しないとわれわれが感じるような時代でしょう。
 しかし、短篇や物語となると話は別です。人間たちが物語を語ったり聞いたりすることに飽きるとは、私も考えていません」(ホルヘ・ルイス・ボルヘス鼓直・訳『ボルヘス、文学を語る』岩波書店

 時代が変遷しても、想像の余地の残されている短篇や、気分を心地よくさせる物語を人が求めていることに、変わりはない。

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