好球必打

mukuku2008-08-27


 今夏の甲子園を湧かせた常葉菊川が、好球必打の戦法に徹するまでには、紆余曲折があった。

 三塁ベースコーチャーを務める高瀬旭弘が言う。
センバツで負けてからパッとしなかったんで悩んでいたんですけど、心先生(佐野監督)が監督になってすぐ、『ボールを見極めて、相手に球数を投げさせるような攻撃をしてみよう』という指示があって、それで何試合か練習試合を戦ったんです。そしたら、もっとダメでした。試合をしてても全然ノリが悪くて」
 積極攻撃を封印して戦った練習試合は、さらにストレスを募らせる結果になった。が、「それで……」と高瀬が続ける。
「あるときの練習試合から『今までどおりでいこう』と元のスタイルに戻したんですね。その試合は負けたんですけど、すごい雰囲気がよくて『ああ、やっぱり自分たちはこれだな』と、みんな改めて思いました」
(『週刊ベースボール 第90回全国高校野球選手権記念大会総決算号』9月6日号増刊)

 常に積極な気持ちがある限り、その打席が凡打に終わっても、以降の攻撃で、目が出ることも多い。自分たちに合った野球、自分たちがやって楽しい野球に徹したことも、強さの原動力だった。

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