構造と力

mukuku2008-08-20

 若い書き手が、初めての作品を、書く前から(難しくなりますが)構造化することは不可能です。しかしかれに書き直そうとする意志の強さがあれば、その作業がかれを構造的な小説の書き手とします。つまり初めは構想できなかったものを、次つぎにかれ自身の具体的な表現となしうるのです。(大江健三郎「定義集」朝日新聞8月19日朝刊)

 無意識でなく、意識的になること。大江は、今日の市場原理のなかで新人が永続きするために、「生き延びるには、多様な抵抗力をつけておく必要があります」とも付加している。

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