出口

mukuku2008-05-24

 渡辺源四郎商店の公演作品『ショウジさんの息子』(アトリエ春風舎)は、家庭内の深刻劇だ。
 亡き妻の父親と暮らす真佐彦。80歳の誕生日を迎えた義父から、家の相続書類をもらったが、固辞する。
 代わりに、極秘で進めていたことを義父に明かした。老人ホームの契約をしていたのである。
 義父の世話がいやになったわけではない。1年経てば面倒を見れなくなるという事情があった。
 真佐彦は若年性痴呆症だったのだ。
 面倒を見る者と見られる者の不安な関係。高齢化社会では、だれもが、他人事ではないだろう。

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