悲しみの乾き時間

mukuku2008-04-20

 未亡人オードリーは夫の死を実感できない。夫の親友ジェリーは麻薬中毒。その二人が共同生活をすることで、沈んだ家族に明るさがよみがえる。
 だが、それも長続きしない。子どもの扱いをめぐる衝突からオードリーはジェリーを追い出し、ジェリーの中毒が再発する。
 オードリーも弱い人間だ。夫の死を受け入れられないために、精神的な余裕を持てない。
悲しみが乾くまで』(米国)の二人は、やたらに前向きなわけでも、強靭なわけでもない。簡単に心を治癒できないからこそ、苦しんでいる。
 デンマーク人監督のスサンネ・ビアは、彼女たちが回復の兆しを見せるまでに、じっくり付き合う。米国流のタフなストーリーでごまかしたりはしない。悲しみの乾き時間がたっぷり必要なことを、知っているのだ。
 
 

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