反復

mukuku2007-12-24

 鉄工場でスコップを動かす。昼休みに弁当を食べる。車で民宿に戻る。夕食に御飯と味噌汁だけを口に入れる。風呂に浸かる。部屋に戻ってロシア文学の文庫本を読む。小林政正広『愛の予感』(日本)の男は、毎日それだけを繰り返す。
 最初こそ退屈に感じた観客も、くどいほど反復される場面を見つめているうちに、だんだん快感になってくるだろう。男の動作があまりにも日常的であるために、親しみを覚えるからである。
 昨日と今日は似ているようで微妙に違う。男の無味乾燥な日々にも、希望らしきものが生まれてくる。 

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