感触

mukuku2007-12-09

 こどものころに『ああ無情』を読んで味わった暗く重苦しい色合いというのは、『レ・ミゼラブル』の根底をまったく同じ質量で流れている。内容は忘れていたが、その感触だけは覚えていた。(日本経済新聞9日朝刊・角田光代『半歩遅れの読書術』)

 移り気な読者に作者が残せるのは、この、感触である。しかし、この感触を与えるために、作者は苦労する。

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