mukuku2007-11-07

『グッド・シェパード』(米国、ロバート=デ=ニーロ)のCIA諜報員は、家で子どもをかわいがる一方で、局内では残酷な拷問も冷静に見届ける。
 家庭と職場で見せる顔が違うのは、CIA局員に限らない。人は場所によって変貌するものだ。
 ときには顔の境界線があいまいになる。諜報員も悩むものの、家族なり、敵対者なりに、葛藤が見えるわけではない。
 だれかを信用しなくては生きていけないが、全面的に信用できる相手はいないというのも、真理だ。それでも人は、簡単には絶望しない。おいそれと希望を失わないのが、人間のもう一つの顔なのである。
 

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