死を語る

mukuku2007-11-03

 五反田団の演劇『生きてるものはいないのか』(こまばアゴラ劇場)では、大学付近で人間たちが突如けいれんを起こして死んでいく。なぜ死ぬのかはわからない。
 現実に大量の死が発生すれば、死因の明快な説明を要求されるものだが、それは残された者が確認し納得するためのものである。死んでしまった者にとって、もはや自分がなぜ死んだかを問う意味はない。
 ガンで死んだ、大義のために自爆した……。そのような理由があったとしても、その死は、解明できる現象だけが理由ではなく、もっと別の要因があったかもしれない。
 死について語る言葉は、本質的であればあるほど、多次元にまたがるだろう。
 

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