2007-10-27 余白 見開きのキャンバスが床上に立っている。白色とクリーム色。右上と左下に淡い黒の四角形が小さく描かれている。韓国のアーティスト、李禹煥の作品『correspondance』だ。 李は「余白の美学」について語っている。 「……描くことと描かないことが組み合わさって、アートの表現になる」 (『Pen』11月1日号) なにかがびっしりと描かれた画面は窮屈だ。そうかといって、なにも描かれていなければ退屈である。李の絵画は、余白のバランスがちょうどよい。創り出す空間が原風景に似ている。