安全保障

mukuku2007-10-08

 改憲論の争点となっている「安全保障」とは、なにか。
 独協大の古関彰一教授(憲法史)が、『週刊金曜日』10月5日号のインタビュー(『「美しい国」よ、サヨウナラ!』)で、述べている。

 英国の『オックスフォード大辞典』では、「危険にさらされることなく、危険から守られている状態」となっています。……外部からどうこうというだけでなく、国内にいても人間が安全に生きられるような体制を指していると考えたほうがいい。……安全保障というのはより広い概念で、冷戦終了後はその中に軍事、あるいは軍隊が占める割合はどんどん低下している。……戦争というと、第二次大戦のような総力戦を連想しますが、もう完全に時代遅れなのです。冷戦後の紛争はほとんど小規模で、国家間の戦争は圧倒的に減っています。そこでは、軍事力のみによって解決できないような形態のものが大半ですね。

 今に外敵が攻めてくるなどという脅威論を名目として、軍事力が増強されている一方、わたしたちの生活で、もっと大事なものが、犠牲になっている。
 古関氏は、以下のように指摘する。

 本来の安全保障の観点からすれば、……リアリティのない「脅威」などより、社会保障が削られて貧しい人が生きていけない、あるいは若者が正規労働に就けないままアルバイトなどでボロクズのように使われているといった現実の方が、はるかに「脅威」のはずなのです。だって、生活が「危険にさらされる」のですから。

 

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