贖罪の平和

 番外のエピソードであり、作画的にも失敗作と言われたテレビシリーズの一編が、再生されたのは、製作当時を知るスタッフの思い入れによるものだ。『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(日本、安彦良和)では、無人島で負傷したアムロが、島で暮らす子どもたちと自給自足の生活を体験する。島を率いる男は、ジオンを脱退した兵士だ。無尽蔵な殺戮を防ぐために、島内の基地で工作をしていたのである。

 

 連邦であれ、ジオンであれ、軍に属するばかりが、戦いなのではない。武器を取ることと、別の手段による抵抗もあろう。たとえ平和が、民間人を殺傷したことへの贖罪から育まれたものだとしても……。

    

   

 

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