2020-12-08 映されていないもの 偉大な指導者の厳粛な葬儀という名目で、東側各国の要人が訪れ、国民は嘆き悲しむ。理想が真実であり、飢餓も粛清もなければ、ふさわしい儀式であったろう。 『国葬』(オランダ・リトアニア、セルゲイ・ロズニツァ)は、スターリン死去直後に撮影された国策フィルムをつなぎ合わせることで、映されていない国家の実態を余計に想像させる。